数値型の名前
Javaで使う数値の種類として、整数(int)と実数(double)について紹介しました。ここでは、int, doubleという名前について少しだけ解説してみようと思います。
まず、intは「Integer」の頭3文字をとった略称で、これは日本語に訳すとそのまま「整数」となります。Javaの整数はコンピュータで表す際に32bitの記憶領域を使い、-2,147,483,648 (-2^31)以上+2,147,483,647 (2^31 – 1)以下の整数を表現できます (232種類)。この数値の構造についての解説は、コンピュータの仕組みに関する別の講義で行われるはずです。
次に、doubleは「double-precision floating-point number」の略です。これは日本語に訳すと「倍精度浮動小数点数」となります。この「浮動小数点数」とは大雑把にいえば「コンピュータ上での実数の表し方の種類」で、これも別の講義で内部構造まで詳しく説明があると思います。普通の浮動小数点数はコンピュータ上で表す時に32bitの記憶領域(1または0が32個)を使いますが、doubleは「倍精度」浮動小数点数なのでその2倍の64bit(1または0が64個)の記憶領域を使って1つの実数を表します。通常の浮動小数点数(単精度浮動小数点数)より細かい数や大きな数を表すことができ、Javaで実数を取り扱う際にはこの倍精度浮動小数点数がよく使われているようです。
なお、Javaで単精度浮動小数点数を使うこともでき、その場合にはdoubleの代わりに「float」と指定します。また、整数でも64bitの記憶領域を使う「長整数」がJavaから利用可能で、こちらはintの代わりに「long」と指定します。通常多くの場合はint, doubleを使っていて困ることがないと思いますので、このコースではint, doubleだけを使って説明を進めて行きます。