EclipseとIDE
Eclipseは統合開発環境(Integrated Development Environment, IDE)の1つで、主にJavaプログラミングに使用されています。この「主に」とわざわざ書いたのは、Eclipseは「プラグイン」という拡張機能を追加することで、Java以外のプログラミング言語を用いたソフトウェア開発も可能となるためです。特に近年では家電などの組み込みソフトウェアをC言語などで開発する際に、Eclipseが採用される事例が数多くあるようです。
EclipseのほかにもJavaプログラミングに利用できるIDEは存在します。有名なものではNetBeansやIntelliJ IDEAなどがありますが、Eclipseと比べてもどれが一概に良いとは言えません。それぞれのIDEは得意な分野が異なり、また使い慣れたIDEを使うのが一番である場合が多いため、この授業では一貫してEclipseを使って行こうと思います。
Java以外で有名なIDEには、Windowsなどを開発しているMicrosoftのVisual Studioがあります。これはWindowsで動作させるプログラムを書くのに特化したIDEで、Visual BasicやC#などのプログラミング言語に対応しています。これらのプログラミング言語を使ってソフトウェアを開発する場合には、EclipseよりもVisual Studioを使ったほうが余計な手間がかかりません。
なお、IDEを全く使わないでJavaのソフトウェアを開発することもできます。Javaには開発キット(Java Development Kit, JDK) が公開されていて、これを使うとソースプログラムをコンパイル (プログラムをコンピュータが実行できる形式に変換すること) して、Eclipseと同様にプログラムを実行できます。ただし、JDKを使うにはコマンドラインインターフェース (CLI)上のコマンドを覚えて使わなければならないため、Eclipseでプログラムを作成するよりも少し難しいかもしれません。