配列と生成
今回のテキストでは「配列を生成する」という表現を使っています。この「生成」という言葉は、日常生活であまり使われませんが、情報科学の世界ではgenerateやproduceの意味でよく使われています。
普通の コンピューター には「記憶装置(メモリー)」というものが搭載されています。配列を生成する際には、メモリー上の一部の領域を配列のために確保して、その領域に配列のためのデータ構造を作成しています。たとえば、「new String[3]」という命令を実行すると、メモリー上には3つの文字列を記憶する配列のための領域が確保され、この配列に関する情報(文字列を記憶する、長さが3である、など) が記憶されます。
この一連の動作をプログラムから見ると、「new String[3]」という命令によって、新しく配列がコンピューター上に構築されたかのように見えます。このように情報科学では「規則を元に新しいものを作成すること」を「生成する」と呼んでいます 。耳慣れない言葉かもしれませんが、今後もよく使いますので覚えておいてください。
なお、配列がどのような形式でコンピューターに記憶されているかについては、このコースの最後の方「参照と実体」という回で詳しく説明します。今のところは「メモリー上に配列のための領域が確保されている」程度の認識で構いません。